第143回社会保障審議会介護給付費分科会議事録ピックアップ【薬局用】
7月17日に開催された第143回社会保障審議会介護給付費分科会の議事録が8月28日に公開されました。
資料、議事録へのリンクはこちらです。
社会保障審議会 (介護給付費分科会) |厚生労働省
以下、引用・画像はリンクからの一部抜粋です。下線追加・太字に変更は筆者が行っております。
うまくまとめられなかったので、本題の介護報酬には触れておりません。
ちょっと気になった部分のみ抜粋しました。
ミスリードするつもりはないのですが、一つの議題に様々な意見があり、5万文字以上の中から一部のみ引用していますので、詳細は議事録からご確認下さい。
【日本医師会常任理事 鈴木委員】
現行では、ケアマネジャーは資格を取ったらすぐに開業ができ、一定の要件を満たせば誰でも主任ケアマネジャーになれるなど、質の担保ができていません。特に、主任ケアマネジャーは、資質のない人や技能がない人を排除する仕組みが必要だと思います。
薬局業界の何かと被っているような気がする発言です・・・
【老人福祉施設協議会理事 瀬戸委員】
2つ目の論点の特定集中減算、今、鈴木委員からおっしゃられたので、ちょっと話しづらいですが、基本的には廃止の方向でいいと思います。ただ、公正中立の観点から考えれば、むしろ囲い込みを防止することのほうが重要ではないかと思いますので、例えば同一敷地内のサービスへの紹介は、訪問等に係るコスト分を本体報酬から引き下げるとか、同一法人、グループの場合に9割にするとか、幾つか区分を設けながら囲い込みを防止するほうが有効ではないかと思います。ただし、その場合は、地域に利用できる事業所が少数である場合は除くという条件は必要かと思います。
「集中割合による減算」「敷地内の問題」「同一法人・グループの場合」
薬局業界で良く見かけるワードですが、介護報酬でも出てくるのですね。
※参考資料1のP21
【慢性期医療協会 武久委員】
ケアマネについては、ずっと経過を見ていますと、要望される項目がだんだんふえてきて、報酬とのアンバランスがどんどん広がっていって、これもしていない、あれもしていないじゃないかと言われながら、こういう記録も残せ、ああいう記録も残せと強要される。非常に厳しい業界になっているわけです。
薬局業界も、これから報酬とのアンバランスは広がっていく気がします。
下線部の発言が胸に染みます。
【日本看護協会副会長 齋藤(訓)委員】
既に、外部の歯科衛生士が施設へ訪問して介護職員に技術指導をすることへの評価がある
個人的なメモです。
【武井高齢者支援課長】
身体的拘束廃止未実施減算の算定実績についてのお尋ねでございますけれども、平成29年4月審査分での計算によりますと、その算定件数は6,000件となっているところでございます
個人的なメモです。
【日本薬剤師会常務理事 安部委員】
先ほどの小原委員の御発言に関連して発言させていただきます。
先ほどの発言の中で、平時の連携が非常に重要であるということについては、私も同意しております。以前にも発言させていただいたことがありますけれども、入院・退院というイベントが起きる前の平時の段階から、ケアマネジャーの方と医療が連携しているということが非常に重要でございます。そういった意味では、現在、薬剤師もかかりつけ機能を充実させておりますし、それから薬の手帳をほとんどの方が持っています。これまでは患者さんが入院する、もしくは退院するといったときに、初めてケアマネジャーさんと薬局もしくは薬剤師の関係をどうするのだということで議論になっていたわけであります。
平時という意味では、入退院時にかかわらず、その方が要支援・要介護の認定を受けた際にそのケアマネジャーさんの名前、要介護度、それから介護支援事業所の情報といったものを薬の手帳に記載していただければ、我々は患者さんの生活に対して薬学的な問題が見られたときには、ケアマネジャーの方に連絡することができます。
仮にケアマネジャーの方が利用者宅でお薬がぐちゃぐちゃになっていて管理できていない。どこに相談しようというときに、その薬の手帳に記載された薬局・薬剤師、もしくはかかりつけ薬剤師の名前を見れば連絡をすることもできる。患者さんの同意や確認が必要でございますけれども、平時の連携というものは大きな手間も費用もかけずにできると私は考えておりますし、以前からケアマネ協会の役員の方ともそんな話を続けておりますので、介護報酬とは直接関係ないことかもしれませんが、工夫を重ねて連携を進めていくことが必要かと感じております。意見として申し上げておきます。
薬剤師会の発言なので全て載せました。
この発言、全く同じ内容で会議の前半と後半に2回記載されておりました。
最初は議事録の間違いかと思ったのですが、同じメモか何かを読み上げたのでしょうか?
大事なことなので2回言ったのかもしれません。
最後に
聞きなれない単語もあり、議事録を読んでもなかなか頭に入ってきませんでした・・・
最近、ケアマネさんやヘルパーさんと話すことが増えてきているので、話のネタをいくつか見つけることができた気がします。
来年の診療・介護同時改定はどうなるのでしょうか。
調剤報酬は下がると思いますけれども・・・
スマートドラッグへの対応・医薬品の個人輸入についてのまとめ【第2回厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会より】
第2回厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会の議事録及び資料から下記についてまとめました。
- スマートドラッグへの対応
- 医薬品の個人輸入について
議事録はこちらです。
第2回 厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会 議事録(2017年6月22日) |厚生労働省
資料はこちらのリンクの4-1と4-2です。
医薬品医療機器制度部会審議会資料 |厚生労働省
いわゆる「スマートドラッグ」への対応について
引用は資料4-1の一部抜粋です。
経緯
いわゆる「スマートドラッグ」について、現在のところ、国内で用いられている品目や量、健康被害の実態等ははっきりとは分かっていない。
(中略)
「スマートドラッグ」を保護者が児童・生徒に服用させる事例があると報道されており、児童・生徒における心身の正常な発達を妨げるおそれや、継続的な乱用や他の薬物への乱用に繋がるおそれがある。
スマートドラッグの使用状況や被害の実態は不明のようです。
大人の薬物乱用は本人の意思で防ぐこともができますが、子供が保護者から勧められた場合は断りにくいはずです。
まずは注意喚起が必要ではないでしょうか。
医薬品の個人輸入について、見直しの検討を進める必要がある。
その通りだと思います。
個人輸入に関して、
医薬品を輸入して他者に販売するのは違法です。
医薬品の輸入を代行して手数料を得るのは違法ではありません。
(広告等の制限あり)
※参考資料個人輸入代行業の指導・取締り等について|厚生労働省より
今流通しているサイトは、違法な広告や偽薬が多く無法地帯だと感じます。
対応の方向性(案)
いわゆる「スマートドラッグ」について、国内に輸入されていると考えられる品目等を把握し、その中で、医師などの専門家が関与せずに児童・生徒や若者が安易に使用することによって健康被害や乱用につながるおそれが高いものについては、個人輸入における取扱いを見直すこととしてはどうか。その場合、例えば、原則として、個人輸入には医師の処方せんや指示を要することとしてはどうか。
無法地帯な個人輸入の現状を考えると、「健康被害や乱用のおそれがある成分のみ個人輸入の取り扱いを見直す」のは難しい気がします。
「医師の処方せんや指示を要する」案はよく分かりません。
スマートドラッグを個人輸入するよう医師が指示するのでしょうか。
形骸化したり、新たな問題が発生しないか心配です。
「スマートドラッグ」を含め、医薬品を適正な目的・方法で使用することについて、児童・生徒やその保護者を含め、国民に対する啓発を強化していくこととしてはどうか。
その通りだと思います。
情報を持たない人が「スマドラ」で検索した場合のリスクはかなり高いように感じます。
利用者が受験等で追い込まれている状況を考えると尚更です。
医薬品等の個人輸入について
国内で処方を必要とする薬でございましても、現行、1カ月以内であれば、原則、国内での使用を認めているという形になってございます。
未承認の薬を個人輸入するのは分かりますが、処方箋医薬品を個人輸入できる制度が必要な理由がよく分かりません。
注意をする必要がある医薬品、代表的なものでサリドマイドという薬でございますけれども、こういったものがリスト化されておりまして、原則、個人輸入は禁止とした形で、あくまで医師の処方があるといいますか、医師がいいといった場合だけ、薬監証明というものをとってもらった上で税関を通過させるという手続になってございます。
詳細はこちらのリンクより確認できます。
医薬品等の個人輸入について|厚生労働省
今後の対策予定
最終的な予定案として主に2点あげられていました。
- いわゆる「スマートドラッグ」をインターネット検索等によりリストアップし、医療関係団体、関係学会等の意見を踏まえて、取扱いを検討する。
- 文部科学省と連携し、児童・生徒やその保護者に対して、いわゆる「スマートドラッグ」を含め、医薬品の適正な使用に関する啓発を強化する。
効果も副作用もないようなサプリも、依存性のある個人輸入の医薬品も、全てを「スマートドラッグ」と称することにひとつの問題があり、リストアップは重要です。
しかし、依存性がある成分を子供が服用する可能性を考えると、早急な啓発が望まれます。
文科省と連携できるのであれば、例えば学校からプリントを配布するだけでも多少の効果はあるのではないでしょうか。
また、本会議を受けて「原則禁止へ」との報道がありましたが、議事録を読んだ限りではそこまでの印象は受けませんでした。
スマートドラッグ、個人輸入を禁止へ 記憶力向上うたう:朝日新聞デジタル
個人輸入に関して、厚労省の「個人輸入代行業の指導・取締り等について」は平成14年に発行されたようなので、時代に合わせた対応が必要だと感じます。
かかりつけ薬剤師・薬局のKPIまとめ【厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会議事録より】
第2回厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会の議事録と資料から
- かかりつけ薬剤師・薬局に係る評価指標
- KPIの設定
に関してまとめました。
議事録はこちらです。
第2回 厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会 議事録(2017年6月22日) |厚生労働省
資料はこちらです。(PDF)
当記事の画像はこの資料のコピーを使用しています。
かかりつけ薬剤師・薬局に係る取組の評価について
かかりつけ薬剤師・薬局の取り組みの評価として
- 薬局機能情報提供制度の項目を拡充する
- 薬剤師・薬局の実態に係る調査を実施する
の2点があげられております。
薬局機能情報提供制度の拡充とKPIの設定について
赤字が薬局機能情報提供制度の項目の追加予定です。
- 地域におけるプレアボイドの取組
- 地域医療情報連携ネットワークへの参加の有無
- 退院時カンファレンスへの参加体制の有無
- 医師への受診勧奨に関する情報等の提供体制の有無
- 副作用報告の実績
- ヒヤリ・ハット事例収集の取組の有無
青枠がさらにKPIとしても利用予定の項目です。
- 地域ごとの地域包括ケアシステムに関する内容を含む研修(健康サポート薬局研修)を修了した薬剤師の人数
- 患者情報の一元的・継続的把握のための電子薬歴の導入の有無
- 患者情報の一元的・継続的把握のための電子お薬手帳への対応の可否
- 在宅業務を実施した件数
- 健康サポート薬局研修を修了した薬剤師が地域ケア会議等の地域の多職種が参加する会議に出席した回数
- 医師へ患者の服薬情報等を提供した回数
一部は先日パブリックコメントが募集されていました。今思うと、「等」とされていたのがこの内容だったようです。
気付きませんでした・・・なぜ省略されたのでしょうか・・・
パブコメの募集が終了してから、今回の議事録を公開するのは解せません。
【関連記事】
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KPIの設定・把握
具体的なKPIとして毎年全国集計し、把握するとのことです。
- 電子版お薬手帳又は電子薬歴システム等、ICTを導入している薬局数
- 医師へ患者の服薬情報等を文書で提供した薬局数
- 在宅業務を実施した薬局数
- 健康サポート薬局研修を修了した薬剤師が地域ケア会議等の地域の多職種と連携する会議に出席している薬局数
KPIによる評価は必要なのだと思いますが、この4点を集計して「患者のための薬局ビジョン」の進捗状況を把握・評価できるのか疑問です。
北澤委員の発言と患者満足度調査について
京都薬科大学客員教授 北澤京子委員の発言の抜粋です。(太字は筆者追記)
資料2-2の「かかりつけ薬剤師・薬局に係る評価指標について」なのですけれども、ここに示していただいたとおり、いろいろな指標を新たに集めるということで、特にKPIの設定についての指標について、これらは確かに客観的で量的に把握しやすい指標で、情報を集めるのは、今後のかかりつけ薬剤師・薬局の発展ということでもよいと思っています。しかし、一方で、かかりつけ薬剤師・薬局で重要だと私が思うのは、実際に薬剤師さんと患者が信頼関係を築き、いつでも相談できるとか、それによって安心できるかとか、あるいは結果的にそれによって有効で安全な薬物療法が受けられたかどうか、そういった患者のアウトカムが一番重要だと思います。
ここに挙げられている指標の中では直接的に患者に対する指標がそれほどありません。患者さんがどれだけ満足できたかといったものは測定が難しい面もあると思うのですけれども、そういった質的なレベルアップといったことをおろそかにしないように、指標として、この中に入れるというのは無理なのかもしれないのですけれども、患者の信頼を得るところを忘れずにいてほしいと思っています。
厚労省の紀平医薬情報室長の回答です。(一部抜粋)
1ページ目の2のところの実態調査では、こちらに書いてありますとおり患者さんの意識とか満足度の調査も行って、そういったものと、あるいはこういった項目との関連性みたいなものを引き続き調査を進めていきたいと考えております。
資料では患者意識や満足度の調査は「必要に応じて」となっておりましたが、今後調査されるのでしょうか。
あやしい・・・
感想
かかりつけ薬剤師制度による
「患者さんの安全・安心」
「医療機関との連携」
「医療費削減効果」
は今後どう評価されていくのでしょうか。
私はKPIだけでは不十分なので、満足度調査もやって欲しいと思います。
議事録を公開してからパブリックコメントを募集するべきだと思うのですが、なぜ2ヶ月もかかったのでしょうか。非常に一般の意見が届き難い環境だと感じます。
副作用のモニタリングと副作用報告(医師と連名)について【医薬品医療機器制度部会の議事録より】
先日、第2回厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会の議事録が公開されました。
「かかりつけ薬剤師・薬局に係る評価指標」や「スマートドラッグへの対応について」等も議題にありましたが、今回は「医薬関係者による副作用報告の推進に向けた取組について」です。
詳細は議事録よりご確認下さい。
www.mhlw.go.jp
尚、引用は全て一部抜粋、下線は筆者が追記しております。
副作用のモニタリングに関して
日本医師会副会長 中川俊男委員の発言の抜粋です。
主な副作用の内容、副作用の発現時期・発現期間等を、患者さんに薬を渡すときに、薬局が一生懸命説明するという意味ですか。
この発言の後、
リスクの高い医薬品の初回交付時などにと、こちらで省略をしてはだめでしょう。全然意味が違います。全ての医薬品でこうやろうと見えてしまうではないですか。
と厚労省が押し切られています。
つまり、副作用報告は連名となった背景に「副作用のモニタリングはリスクの高い医薬品の初回交付時のみでよい」という考え方があると解釈できます。
決してそれでいいはずがありませんが、個別指導での理論武装には使える内容かもしれません。
厚生局の個別指導や監査では「継続的に重大な副作用のモニタリングをしているか?」が問われます。
特に特定薬剤管理指導加算(ハイリスク薬)では毎回モニタリングが必要とされます。
薬歴や薬情に記載漏れがある場合に、今回の件(副作用のモニタリングはリスクの高い医薬品の初回交付時のみでよいという解釈)を指導官に確認して、時間稼ぎができるのではないでしょうか。
【個別指導で時間稼ぎが重要という関連記事です】
www.yossy-ph.com
※議事録に厚労省の見解が記載されている訳ではありませんので、あくまでも時間稼ぎ程度だと思います。(戦闘モードで挑む人限定です。)
副作用報告に関して
中川委員の発言の一部抜粋です。
薬局から単独というのは、先ほど言いましたけれども、どうしても通報に見えるのです。これはやはり穏やかではないです。その辺のところ、最後の○は「連名を検討」ではなくて「連名を前提」とか、表現をもう少し丁寧にしてください。
副作用の報告は薬剤師の義務です。
薬機法より抜粋
【副作用等の報告】律第68条の10第2項
薬局開設者、病院、診療所若しくは飼育動物診療施設の開設者又は医師、歯科医師、薬剤師、登録販売者、獣医師その他の医薬関係者は、医薬品、医療機器又は再生医療等製品について、当該品目の副作用その他の事由によるものと疑われる疾病、障害若しくは死亡の発生又は当該品目の使用によるものと疑われる感染症の発生に関する事項を知った場合において、保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため必要があると認めるときは、その旨を厚生労働大臣に報告しなければならない。
厚労省ポスターの一部です。全体は医師会発行の医薬品・医療機器等安全性情報報告制度の周知について(PDF)より確認できます。
報告と通報の言葉の意味の違いはそれほどないはずです。
なぜ薬剤師が単独で副作用を知らせて穏やかでないのでしょうか?
私は今まで、副作用が疑われる場合は必ず医師に報告してきました。
しかし、「薬剤師単独では副作用報告をできない」とするのはちょっと違う気がします。
現時点でPMDAの副作用報告の様式は連名になっていません。
副作用報告の"推進"は、今後どうなるのでしょうか。
遠隔診療における薬剤師の役割【遠隔服薬指導の国家戦略特区はどこへ?】
遠隔診療について、第7回未来投資会議で首相から、
「次の診療報酬改定でしっかり評価する」
との発現があったようです。
あれ・・・遠隔服薬指導は?
遠隔服薬指導は特区の話もあったはずですが、まだやってないのでしょうか。
議事録が出たら確認したいと思います。
私が知らないだけかもしれませんが、
遠隔診療の際、院内処方か院外処方なのか、どちらか選べるのかが、
私たち薬剤師に大きな影響を与えるはずです。
①院内処方の場合
「遠隔診療→薬を配達」
便利と思う患者さんもいるはずです。
医療費削減になります。
薬剤師の関与なし・・・
ありえそうで怖いですね・・・
②院外処方(薬局に取りに行く場合)
※以下、電子処方箋解禁と仮定します
「遠隔診療→近所の薬局に行く→薬をもらう。」
近くに薬局が無い場合は困ります。
そもそも遠隔診療なのに薬局には行かなければいけないという矛盾。
③薬局も遠隔服薬指導の場合
遠隔診療→薬剤師が遠隔服薬指導→配達で薬が家に届く。
薬剤師としてはこれがベストかと思います。
どの程度の設備投資が必要なのかは分かりません。
④その他
薬剤師が薬を届ける、
院内処方の場合、月に一度の服薬指導を義務付ける、
など色々やり方があるかもしれません。
患者さんが①か②を選ぶとしたら必ず①になってしまうと思うので、
制度設計かなり重要な気がします・・・
リフィル処方が進まない中、
対象患者が遠隔診療になってしまわないかと心配しているのは私だけでしょうか?
最後に
遠隔服薬指導のための設備投資がどの程度かかるのか分かりませんが、薬局開設のハードルがどんどん上がっている気がします。
遠隔服薬指導に対応できる薬局とできない薬局がでてきそうです。
電子レセプトや電子薬歴は当然の時代になりました。
紙薬歴を書いたことが無い人も多いでしょう。
今の処方箋は紙処方箋と呼ばれる日も近いのかもしれません。
時代に合わせた薬局にしていくのか、
時代と共に終わる薬局になるのか。
私は最近、後者の選択も悪くないのかなと思っています。
話が逸れてしまいますのでその辺はまた後日・・・
最後までお読みいただきありがとうございました。
第8回経済財政諮問会議ピックアップ
第8回経済財政諮問会議の議事録が公開されました。
ミスリードするつもりは無いのですが、一部のみ抜粋しておりますので、詳細は厚労省のサイトから確認して下さい。
第8回会議資料 平成29年 会議結果- 経済財政諮問会議 - 内閣府
新浪議員の発言
現在、画期性に乏しい、いわゆるゾロ新を高めの薬価で保険収載しており、画期的な新薬、いわゆるピカ新の開発につながっていない。ゾロ新でもローリスクでそこそこ儲かるから、各社はこぞってこの研究開発をし、結果的に日本の製薬メーカーの競争力が上がらないという実態であると認識している。こうしたゾロ新の開発を助長する制度は、経過的措置を講じた上で、廃止すべきではないか。
私は実態を知りませんが、必要ないと感じる新薬は確かにあります。
会議で毎年薬価改定、新薬創出加算、長期収載品、後発医薬品、費用対効果等についても言及されていますが、
「とにかく全部下げるよ」
の一言で纏めて欲しかったです。
薬局に関して、院内・院外処方で外来投薬の技術料が約3倍違うことに大きな疑問を持っている。
なんでしょうこの今更感は。書くと長くなってしまうので私の意見は割愛します。
もう一度、技術料の水準の違いや薬局の価値を議論して、適切な水準にしていくべきである。方向性としては、重複投薬の是正やリフィル処方箋など、新しい付加価値をかかりつけ薬局に付与していく中で、かかりつけ薬局になるための要件を厳しくする。その上で、かかりつけ薬局とそうではない薬局の報酬に大きな差をつけてはいかがか。
リフィルが導入されたら業界としては画期的ですが、業界内にリフィルを推進する団体がいないという・・・。
私にはリフィル発言は中医協での交渉カードとしか思えません。
門内薬局は、院内調剤と同程度の機能であることを踏まえると、院内処方と同じだと考えている。
この流れはさすがにまずいような気がします。
門内薬局を外来調剤のアウトソーシング的な位置ではなく、薬局として機能させないと。
「敷地内でもかかりつけ」とか言っている人たちへのメッセージなのかもしれませんが、門内薬局で厚労省が敗北してから議論が混沌としている気がします。
当ブログの最初の記事が敷地内薬局についてでしたのでさりげなくご紹介
敷地内薬局(門内薬局)解禁のメリット - 薬剤師よっしーのブログ
塩崎臨時議員の発言
在宅訪問ゼロが6割、高齢者が10種類以上の薬を飲んでいる例が全体の4分の1もあるなど、かかりつけ薬剤師の効果は不十分である。その機能発揮に向けた取組を強化し、重複投薬を防止するとともに、医師の指示に基づく反復使用できる処方箋、いわゆるリフィル処方を推進し、残薬確認の徹底を通じた無駄な投薬の解消などを進める。
かかりつけ薬剤師の効果がでると在宅訪問が増えるという理屈が分かりません。
薬局提案型が増えるはずということなのでしょうか。
資料によるとこの場合の高齢者は、ある県の平成26年12月の75歳以上のデータみたいです。
都合のいいデータ探してきてないですよね?
私もかかりつけ薬剤師の効果は不十分だとは思いますが、それはむしろ私たちがあなたに言いたい事だよ。
失礼、取り乱しました。
「門内」の薬局について、院内の機能と違いがないのならば、医薬分業の本旨に立ち返って、その機能にふさわしい調剤報酬となるよう、見直しを更に進める。
新浪議員も同じ様なこと言っていた気がしますが、大事な事なので2回言ったのですね。
2020年に予防、健診、医療、介護、これらを全部一気通貫で一人一人の履歴も分かるパーソナル・ヘルス・レコードも分かり、かつビッグデータの分析も一気通貫でできるようにするという大きなシステムを構築しようという、データヘルス改革を今やっている。これができれば、医師が処方しようとしたとき、仮に30分前に他の病院で既に処方されていたとしても、データ入力によりそれが分かるようになる。韓国はすでにそうなっているが、重複処方をしないといいうことも併せてできるようにしたい。
2020年にこのシステムができれば重複投薬や相互作用防止はシステムがやってくれるみたいです。
予算どの程度なのでしょうか。
私は高めが一気通貫で安めがピンフのみと解釈しました。
最後に総理からの御発言の一部抜粋
塩崎大臣におかれては、本日の議論も踏まえ、創薬イノベーションの促進を図りつつ、「国民負担の軽減」と「医療の質の向上」の両立に向けて、年内に結論を得られるよう引き続き議論を深めていただきたい。
塩崎大臣・・・
ブログで適当なこと書いてすいませんでした・・・
大臣って大変ですね・・・
「国民負担の軽減」と「医療の質の向上」の両立に向けて年内に結論ですか・・・
大手にいた頃、今までの議論は何だったのかというような理想論を展開するパワハラ上司を思い出したよっしーでございました。
かかりつけに慣れていない薬局
5月23日に開催された経済財政諮問会議の資料です。
(議事録はまだでておりません)
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2017/0523/shiryo_02.pdf
4ページの【よりメリハリの効いた薬局の評価】の項で
「かかりつけ薬剤師」
「かかりつけになれていない」
「いわゆる門前」
「いわゆる門内」
「院内(外来)」
に分類されておりました。
数字に悪意を感じるののもありますが、個人的に「かかりつけになれていない」の分類が気になりました。
私の薬局は諸々の事情で、かかりつけ薬剤師の届出はしていますが、基本的に今年度は算定しないことにしました。
(かかりつけ薬剤師を算定しないほうが良いと思っている訳ではありません)
ただ「かかりつけになれていない薬局」と表現されると、なんとなく腹が立つのは私だけでしょうか?(笑)
次期改定でかかりつけの算定が基本料の要件に入る可能性はあると思います。
門前薬局は強みが無ければ淘汰されていくのかもしれません。(当薬局は単科のど門前)
「かかりつけになれていない薬局」に破壊的な減算が来たら来年は慌てて算定しだすかもしれません。
ですが楽観的な部分もあって、1.8兆円の調剤技術料(医療費の約4%)を多少減らしたところで、医療費の増加は抑えられず、むしろ薬局は薬剤費(約6兆円)等のその他の医療費の増加を抑えるために利用されていくのではと考えています。
本丸は医科。
そのためのかかりつけ薬剤師であり、かかりつけ薬局ではなく始まったことや、32時間の(理不尽な)勤務時間も妙に納得しております。
「すべての薬局をかかりつけ薬局に」というのは全ての薬局を「今よりも医療費を削減できる薬局に」という意味であり、
薬局が段階的に淘汰されていく中で、
うちの薬局も淘汰される場合は、
潔く薬局(薬剤師)を辞めたいと思っています。
逆に考えると、「うちが潰れるなら仕方無い」と思えるくらいのことはやっておこうかなと。
厚労省の思惑とは裏腹に敷地内薬局ができ、「敷地内でもかかりつけ」なる言葉もでてきて混沌としております。
次回改定のかかりつけ薬剤師、かかりつけ医はどうなるのでしょうか?
今、私の薬局は
かかりつけ患者はいるけど「かかりつけになれていない薬局」
です。
かかりつけは算定しているけど「かかりつけに慣れていない薬局」
には負けないように頑張ります。
最後までお読み頂きありがとうございました。
私はコンサルタントでも情報通でもございません。
ただ思ったことを書いているだけですので悪しからず・・・
参照価格制度の導入に関するたった一つのお願い
議事録はまだアップされていませんが、17日の社会保障審議会 (医療保険部会)で厚労省から先発品と後発品の差額に関して、
「差額を患者さんが負担する」(以下、参照価格制度とします)
「長期収載品の薬価を後発品と同じにする」
の2案が提案され、当然のことながら反対されたようです。
【関連記事】
www.yossy-ph.com
私は参照価格制度の導入については、後発品割合を今以上に上げなければいけないのであれば賛成です。
賛成というか、それ以外に後発率を上げる方法が思いつきません。
但し、6兆円の調剤薬剤費をどの程度抑えられるのかは疑問です。
毎年薬価改定を行うのであれば、後発品割合はそこまでして上げなくてもいいのではないかと感じています。
現在の強い内閣は、年に1回の薬価改定という、業界としては非常にダメージの大きい施策を打ってきました。
敷地内薬局解禁や禁煙法案など、強い内閣がビシビシ決めていき、厚労省は劣勢です。
厚労省としては「参照価格制度の導入まで財務省主導で行われては面子が立たない」との焦りもあるのではないでしょうか。(私見です。以下も全て私見です。)
私はこの参照価格導入に関して、ひとつだけお願いがあります。
薬局の人的資源を奪わないで欲しい
今後、参照価格制度が導入されると、患者さんに説明するのは恐らく薬局でしょう。
受付時の「患者情報の収集」に組み込まれる可能性が高いです。
(レセコンに入力をして差額を計算してからでないと説明できないケースもありそうです。)
「後発品は絶対に嫌だ」と訴える患者さんに、「後発品を選ぶとこれくらい自己負担が増えます」と説明しなければなりません。
患者さんからはかなりのクレーム反発があるでしょう。
非常に流れが悪くなると予想されます。
そこで、
せめて経過措置期間を設けて、「来年4月から先発品を選ぶとこのくらい金額が変わります。」と周知する期間を長く設定して欲しいのです。
半年くらいあれば徐々に今の患者さんに伝えていき、ある程度スムーズに導入できるのではないでしょうか。
厚労省の掲げる80%の目標まであと10%。
医療費削減にどの程度効果があるのかは分かりませんが、目標を達成しなければいけない厚労省の事情もあるのかもしれません。
制度が出来れば薬局ではやるしかありませんが、現場が混乱しないよう配慮して欲しいと思います。
当薬局では試しに、反ジェネリック派の患者さんが来局した時に、
「今、厚労省でこんな議論がされていて、導入すると○○さんの負担はこうなります。」
と説明してみようかと思っています。
長期収載品の薬価を後発品まで引き下げる案
これは代案として用意されただけで有り得ないと思っています。
後発品メーカーをこれだけ作らせておいて、一気に潰すという恐ろしい案です。
実現したら株価がすごいことになりそう・・・
最後までお読み頂きありがとうございました。
コピペのコメントを載せれば後発品変更不可で処方できる現状、厚労省には参照価格導入を通す力は無いと思っています。
しかしながら、医師会に気を使いながら薬局だけ大変なことになる変な制度設計で導入されないことを願います。
第14回 医療・介護・保育ワーキング・グループ議事録ピックアップ
私の印象は
敷地内薬局に梯子がかけられた。
かかりつけ薬剤師の梯子ははずされるかもしれない。
梯子を降りるのも登るのも大手チェーンでは悲しいです。
今からでも薬剤師会は敷地内薬局に参入したほうが良いのではないでしょうか。
私は総合病院の敷地内薬局と門前薬局と面薬局とドラッグストアと全てが共存できると思っています。
(診療所にも敷地内薬局ができたら自信ありません)
但し、門前薬局は調剤報酬以外の収入が必要で、
それが無い門前薬局は淘汰されていくと感じています。
話が逸れました。
以下、
内閣府 規制改革推進会議 医療・介護・保育ワーキンググループの気になった部分の抜粋です。
ミスリードするつもりはないのですが、かなり割愛しておりますので、時間に余裕がある方は当記事を読まずにリンクより原文をご確認頂いたほうが宜しいかと思います。
規制改革推進会議 会議情報 : 規制改革 - 内閣府
医薬分業推進の下での規制の見直しについて
※厚労省の説明はかなり苦しく無駄に長いためほぼ割愛しております。
※引用は全て一部抜粋です。
厚生労働省(岩下室長)国立病院機構災害医療センターの敷地内薬局の関係について
したがいまして、このような旧国立療養所的に市街地から離れている場合には、仮に門前薬局ないしは敷地内薬局を設置するとなった場合にも、今回と同様に、かかりつけ薬局としての機能を果たすのが難しいのではなかろうかと考えております。
川渕専門委員
服薬情報の一元的・継続的把握とか、24時間対応・在宅対応がある一方で経済的独立性さえ担保できれば、私は門内、門前、面分業と、いろいろあっていいのではないかと思うのですがいかがでしょうか。
厚生労働省(紀平室長)
(全略)
林座長に「お答えがよく分からないですね」と突っ込まれておりました。
私も診療所の門さえ潜らなければ、すべての薬局をかかりつけ薬局にする必要はないと考えています。
引くに引けない厚労省に「敷地内でもかかりつけ」というもはや意味不明な逃げ道が用意された気がしています。
川渕専門委員
いわゆるかかりつけ薬局・薬剤師は、物理的な場所に余り制限されなくてもいいのでは。実際「患者のための薬局ビジョン」も、よくできていると思うのですが、「かかりつけ薬剤師指導料」の施設届出件数が2万8,000件と比べ、健康サポート薬局は今年1月末時点で152軒しかないのが実態です。おそらく診療報酬点数も付いていないからそうなのかなと思う一方で、地域包括ケアへの貢献に代えて薬局を地域密着の健康情報拠点にという条件を公募要件に付せば、努力する薬局は報われるし、いわゆる政策医療を柱に掲げる国立病院機構にとっても非常にいい話ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
厚生労働省(岩下室長)
(全略)
森下委員に詭弁と突っ込まれておりました。
森下委員
わざわざ家の近くに取りに行けというのは、正に公開ディスカッションで出た、患者さんの利便性を考えるという観点が全く入っていないわけですよ。そこを無視してでもかかりつけ薬局をしたいというのであれば、かかりつけ薬局制度は間違っていますよ。
全ての薬局がかかりつけ薬局になるというのだったら、それはおかしいでしょう。それぞれ専門性があって当然だし、そこの近くにある薬局はそれぞれ別の機能をもって当然だと思うのです。
かかりつけ薬局に対してこれだけいろいろな問題が出るというのは、制度上非常に問題があるのではないかと思わざるを得ないですね。
かかりつけ薬局というのは、むしろ患者さんに不利益を強いるということになりかねない。それでは趣旨と違うのではないか。
飽くまでも、厚労省にお願いしたいのは、患者さんの利便性を考えて、どうするのが一番理想的なのかということ。その中で、かかりつけ薬局というものが機能するというのが大前提だということを、是非忘れずにお願いしたいと思います。
厚労省は理論武装してないというより、制度設計が甘すぎて戦えないという印象を受けました。
かかりつけ薬剤師に関するKPI案4項目が示されておりますが、
今の流れだと患者さんの「利便性」に軍配があがりそうです。
次期改定はどうなるやら。
厚労省が考えるのは、敷地内薬局の点数を減らすことでしょうか。
(これに関しては断固反対です)
今回の論点とは逆行して、
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厚生労働省(迫井課長) 敷地内薬局の問い合わせ件数に関して
本日時点で集計をしておりますけれども、地方厚生局から41件照会が提出されておりまして、そのうち指定可能ですと答えたのは36であります。
報道されているのは10数件ですので、まだ表にでてきていないところが沢山あるみたいです。
どんどん増えるでしょう。
大臣の予想外の方法で病院前の景色が変わろうとしております。
ちなみに私がブログで最初に書いた記事が敷地内薬局でした。
このころはブログタイトルの趣旨を守っています・・
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新医薬品の14日間処方日数制限の見直し
「ちゃんとやれよ」
ってことだと思います。
すいません。昼休みが終わってしまうのです・・・
以上、需要があるのか無いのか議事録まとめですが、自分自身の整理のためにも時間のあるときに続けていきたいと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。