【薬局では教えてくれない】目薬の正しい使い方|こんな時どうする?
私は薬局に勤務しているので、目薬の使い方についての相談を受けることがあります。
例えば、「2種類の目薬をさす間隔はどのくらいあければいい?」などです。
簡単な質問のようですが、実はたくさんの選択肢から「最適な答え」を探さなければいけない難しい質問です。
私は頭をフル回転させて答えに辿りつくための道筋を探します。
最適な答えは患者さんのライフスタイルや眼の病気、目薬の種類によって変わるためです。
今日は薬局で説明するときには話しきれない、私の頭の中で考えている事をお伝えします。
答えは「あなた」次第
先程の点眼間隔の例の場合、最初に点眼した目薬が後から点眼した目薬によって洗い流されてしまうため、5~10分程度間隔をあけるのが一般的です。
ここで問題になるのが、2番目の目薬を忘れてしまう方が多いことです。
2種類以上の目薬が処方されている場合、後から点眼する目薬の方が重要なケースがあります。
10分間隔をあけると2本目を高確率で忘れてしまう方や、3分間隔なら忘れないという方はどうすれば良いでしょうか?
症状や生活習慣などにより「最適な答え」が違うため、患者さんと一緒に探すことがあります。
例えば、間隔をあけるよりも何かの作業にはさんで点眼するように試してうまくいったことがありました。(1日3回の歯磨きをする前と後で目薬を点眼する等)
必ず10分以上間隔をあけて点眼しなければいけない目薬もあり、迷った場合は薬局で相談してみて欲しい質問です。
その他の質問例
よくある質問に関してまとめました。
点眼順序
点眼する順番が決まっている場合と、どの目薬から点眼しても問題ない場合があります。
順番が決まっている場合でも、絶対に順番を守って欲しい場合と間違えても心配ない場合があります。
下記のようなケースはさらに複雑です。
【目薬の数が多い場合】
5種類以上の目薬を点眼しなければいけない人もいます。実際に5種類の目薬をきっちり点眼するのはとても大変です。患者さんの状況に合わせて判断しています。
【2本目を忘れてしまう場合】
点眼間隔と同様に、順番が決まっていると2本目を忘れがちになってしまう方がいます。この場合も患者さんの状況により、目薬のさし方や注意点が変わります。
1日6回はどう点眼する?
ドライアイ等で1日6回点眼しなければいけない目薬があります。
等間隔に点眼するのが理想なのですが、なかなかそうはいきません。
朝起きてから家を出るまで何時間あるか、お昼休みは点眼できるか、何時に帰宅するかなど、生活習慣に合わせて検討します。
高齢の方で、テーブルのリモコンの脇に目薬を置くことで点眼習慣が身に付いた方もいらっしゃいました。
点眼を忘れた場合はどうする?
思い出した時すぐに点眼して欲しい目薬や、次のタイミングまで待つ場合、必ず夜に点眼して欲しい目薬などがあります。
その他に、2種類の眼軟膏を使用する場合の間隔なども、状況により回答は様々です。
まとめ
自分で判断するのは難しい
目薬の正しい使い方は人によって異なる場合があります。
IT化が進み、検索をすれば簡単に医療情報を確認できる時代になりました。
「目薬 間隔」と検索して調べると、正しい情報が手に入るはずです。
しかし、一般的な「正しい情報」が「自分に最適な答え」ではない事があります。
特に、病院から処方された薬については薬剤師に相談してみて下さい。
かかりつけの薬局があると便利
薬局で相談をいただいても、初めての患者さんの場合は最適な答えを見つけ難いことがあります。
普段から相談してくれている方の場合、生活習慣も把握しているため「最適な答え」に辿りつきやすくなります。
近所でお気に入りの薬剤師を見つけておくと困ったときに役立つかもしれません。