あなたのブログは大丈夫?景品表示法に違反する打ち消し表示とは
消費者庁より、「打消し表示に関する実態調査報告書」が発行されていたので、ブロガーの皆様に関係しそうな箇所をまとめてみました。
打消し広告とは
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※個人の感想であり、効果には個人差があります。
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のような広告です。
消費者庁の資料に広告例や調査結果が報告されているので、詳細はこちらのリンクからご確認下さい。(PDFで3Ⅿあるため注意)
打消し表示に関する実態調査報告書 消費者庁
尚、以降の引用・画像はすべてこちらの資料の一部抜粋であり、下線の追記・太字に変更は筆者が行っております。
調査の目的
強調表示と打消し表示の解説です。ここは流し読みで良いかと思われます。
一般消費者に対して、商品・サービスの内容や取引条件について訴求するいわゆる強調表示*2は、それが事実に反するものでない限り何ら問題となるものではない。ただし、強調表示は、対象商品・サービスの全てについて、無条件、無制約に当てはまるものと一般消費者に受け止められるため、仮に例外などがあるときは、その旨の表示(いわゆる打消し表示*3)を分かりやすく適切に行わなければ、その強調表示は、一般消費者に誤認され、不当表示として不当景品類及び不当表示防止法(以下「景品表示法」という。)上問題となるおそれがある。
景品表示法の考え方
打消し表示の実態調査の報告がされており、景品表示法上の考え方が示されています。
打消し表示の内容を一般消費者が正しく認識できないことにより、商品・サービスの内容や取引条件について実際のもの又は競争事業者に係るもの(以下「実際のもの等」という。)よりも著しく優良又は有利であると一般消費者に誤認される場合、景品表示法上問題となるおそれがある。
ここでいう「著しく」とは、当該表示の誇張の程度が、社会一般に許容される程度を超えて、一般消費者による商品・サービスの選択に影響を与える場合を指す。
曖昧な表現ですが、悪質であったり、消費者が誤解する表示の場合、景品表示法上問題となるおそれがあるみたいです。
私のような弱小ブロガーには関係ないのかもしれませんが、いつかバズる日のために備えておこうと思います…
打消し表示の表示方法
全ての項目に
こうした表示方法により、商品・サービスの内容や取引条件について実際のもの等よりも著しく優良又は有利であると一般消費者に誤認されるときは、景品表示法上問題となるおそれがある。
と書かれているため、どれかひとつ違反しているからアウトという訳ではなさそうです。
最終的に下記要素から総合的に判断されるようです。
打消し表示の文字の大きさ
一般消費者が打消し表示を見落としてしまうほど文字が小さい場合、打消し表示の内容を一般消費者が正しく認識できないと考えられる。
文字が小さすぎは危険みたいです。
ポスター等の場合ですが、下記のような記載もありました。
打消し表示を行う際は、一般消費者が実際に目にする状況において適切と考えられる文字の大きさで表示する必要がある。
強調表示の文字と打消し表示の文字の大きさのバランス
打消し表示が強調表示の近くに表示されていたとしても、強調表示が大きな文字で表示されているのに対して、打消し表示が小さな文字で表示されており、強調表示を見た一般消費者が当該強調表示に対する打消し表示に気付くことができないような場合、打消し表示の内容を一般消費者が正しく認識できないと考えられる。
文字自体が大きくても、バランス的に読まれないような場合は危険ということだと思います。
強調表示と同じ大きさで書けば問題なさそうです。
打消し表示の配置箇所
打消し表示の文字の大きさが、一般消費者が見落としてしまうほど小さくない場合であったとしても、打消し表示が強調表示から離れた場所に表示されており、一般消費者が打消し表示に気付かなかったり、打消し表示に気付いたとしても、当該打消し表示が、離れた場所に表示された強調表示に対する打消し表示であると認識できないような場合、打消し表示の内容を一般消費者が正しく認識できないと考えられる。
すぐ下に書くのが無難なのかもしれません。
はてなの脚注ではダメということですね…
Web広告において問題となる表示方法
強調表示が表示されている位置から1スクロール下に打消し表示が表示されており、一般消費者が打消し表示に気付かなかったり、打消し表示に気付いたとしても、当該打消し表示が、別の画面に表示された強調表示に対する打消し表示であると認識できないような場合、打消し表示の内容を一般消費者が正しく認識できないと考えられる。
WEB広告の場合1スクロールが例としてあげられております。
具体的にどの程度の距離ならOKなのか記載はありません。総合的に判断されるようです。
やはり、すぐ下に書くのが無難なのかもしれません。
打消し表示と背景との区別
打消し表示の背景が無地の単色ではなく、複数の色彩が入り組んでおり、打消し表示の文字と背景との区別がつきにくいような場合、打消し表示の内容を一般消費者が正しく認識できないと考えられる。
意図的に見にくくしていなければ、普通は問題ないかと思われます。
打消し表示の表示内容
表示方法と同様に
こうした強調表示及び打消し表示商品・サービスの内容や取引条件について実際のもの等よりも著しく優良又は有利であると一般消費者に誤認されるときは、景品表示法上問題となるおそれがある。
とされていました。
(体験談以外)
例外型の打消し表示
商品・サービスの内容や取引条件を強調した表示に対して、何らかの例外がある旨を記載している打消し表示について、一般消費者が打消し表示を読んでも具体的な例外事項の内容を理解できない場合、一般消費者は例外事項なしに商品・サービスを利用できるという認識を抱くと考えられる。
これは例題の画像が分かりやすかったです。
このような打消し広告で「どこでもインターネットが利用できる」と誤認させる場合のようです。
別条件型の打消し表示
例えば、割引期間や割引料金が強調される一方、割引期間や割引料金が適用されるための別途の条件が打消し表示に記載されており、一般消費者が打消し表示を読んでもその内容を理解できない場合、一般消費者は別途の条件なしに強調された割引期間や割引料金で商品・サービスを利用できるという認識を抱くと考えられる。
特に、適用条件や期間の異なる複数の割引が存在する複雑な料金体系の契約において、全ての割引が適用された割引料金とともにある特定の割引の期間だけが強調される一方、割引に関する別途の条件が打消し表示に記載されており、打消し表示を読んでもその内容を理解できない場合、一般消費者は、強調された特定の期間、全ての割引が適用された割引料金で利用できるという認識を抱くと考えられるので、景品表示法上問題となるおそれがある。
インターネットの契約が例であげられておりましたが、確かに1年目、2年目、3年目の料金が脚注の打消し表示を読んでもさっぱりわからないことがあります・・・
ブログの体験談等でも、1年目の安い金額だけ記載している場合は該当するかもしれません。
追加料金型の打消し表示
「全て込み」などと追加の料金が発生しないかのように強調している一方、それとは別に追加料金が発生する旨が打消し表示に記載されており、一般消費者が打消し表示を読んでもその内容を理解できない場合、一般消費者は当該価格以外に追加料金が発生しないという認識を抱くと考えられる。
別途の料金や手数料がかかる場合についてです。これもよく見かける気がします。
試験条件型の打消し表示
打消し表示として、試験・調査等によって客観的に実証された内容が書かれていたとしても、打消し表示の内容が外来語、業界独自の用語、技術に関する用語などの専門技術的なものを含み、一般消費者が打消し表示の内容を理解できないことにより、表示された効果、性能等(ここで「表示された効果、性能等」とは、文章、写真、試験結果等から引用された数値、イメージ図、消費者の体験談等を含めた表示全体から一般消費者が認識する効果、性能等であることに留意する必要がある。)と試験・調査等によって客観的に実証された内容とが適切に対応していないことを理解できない場合、一般消費者は強調されているとおりの商品の効果、性能等があるという認識を抱くと考えられる。
内容が難しすぎて、理解してもらえない場合はダメってことだと思います。
体験談を用いる場合の打消し表示
体験談を用いる際は、体験談等を含めた表示全体から「大体の人に効果がある」と一般消費者が認識を抱くことに留意する必要がある。
また、試験・調査等によって客観的に実証された内容が体験談等を含めた表示全体から一般消費者が抱く認識と適切に対応している必要があるところ、上記のような認識を踏まえると、実際には、商品の使用に当たり併用が必要な事項(例:食事療法、運動療法)がある場合や、特定の条件(例:BMI の数値が25 以上)の者しか効果が得られない場合、体験談を用いることにより、そのような併用が必要な事項や特定の条件を伴わずに効果が得られると一般消費者が認識を抱くと考えられるので、一般消費者の誤認を招かないようにするためには、その旨が明瞭に表示される必要がある。
体験談により一般消費者の誤認を招かないようにするためには、当該商品・サービスの効果、性能等に適切に対応したものを用いることが必要であり、商品の効果、性能等に関して事業者が行った調査における(ⅰ)被験者の数、(ⅱ)そのうち体験談と同じような効果、性能等が得られた者が占める割合、(ⅲ)体験談と同じような効果、性能等が得られなかった者が占める割合等を明瞭に表示すべきである。
ここは長かったのですがそのまま引用しました。
健康食品等の広告でよく見かける「あくまで個人の感想です」についてです。
一言で言えば、
100人中効果がでた気がする1人の体験を広告に用いる場合は、99人に効果は無かったことをきちんと伝えろ!
ってことだと思います。
痩せた人を紹介する某CMなんかはどうなるのでしょうか。失敗した人も載せたら…
テレビCMや新聞の広告でも見かける「体験談」ですが、多くに該当しそうです。
ブログでの個人の体験から商品を紹介する場合に関しては言及されていませんが、誤解を招く表現は控えたほうが良いのかもしれません。
各事業所に望まれる取り組み
長くなるので見出しだけ引用します。
- 表示チェックの体制やルールの構築、不断の見直し、改善
- 一般消費者の視点の活用
- 正しい知識の習得
- 「チェックリスト」の作成・見直し
はてなブログの場合は読者間で相互にチェックできるといいですね。
私は薬剤師なので健康食品の記事を見ると「これ大丈夫かな?」と思うことがあります。
しかし伝えたことはありません…
ちょっと悩んで、いつも通りスターを送っています。
すいません。
今後の対応
下記のように締めくくられておりました。
消費者庁は、今後とも、打消し表示が含まれる表示物に関する実態の把握に努めていくこととする。また、本報告書の周知を行うとともに、景品表示法に違反する事案に接した場合には、厳正に対処することとする。
感想
どの程度厳しくなるのかは不明ですが、適用されればネット、テレビ広告、雑誌等、かなり影響しそうだと感じました。
健康食品やネット契約の広告が、これから厳しくなるのかもしれません。
「あくまで個人の感想です」と付け加えたら何でも許される時代は終わるのでしょうか。
現時点では企業の広告等を対象にしているような内容だったので、個人のブログが指摘されることはまだないかもしれません。
むしろ、企業の広告が厳しくなると、えげつないアフィ記事が氾濫しないか心配です。
私は健康系の記事は書いていないので問題ないのですが、UQモバイルの記事が該当していそうなので修正しました。
最後に
当記事はあくまでも個人的な解釈であり、景品表示法等に違反しないことを保障するものではありません。
当ブログを参考にし、損害が生じた場合でも一切責任を負いかねます。
この打消しはOKでしょうかっ!?